GNV ニュース 2025年3月26日
2025年3月21日、国際移住機関(IOM)は、2024年の移民死者数が記録上、最多を更新したことを公表した。少なくとも8,938人の移民死者数が確認されており、5年連続で増え続けている。特にアジアにおける移民死者数は最も多く、2,778人を記録した。アフリカでは2,242人、ヨーロッパでは233人を記録し、いずれも移民死者数最多を更新している。アメリカでの最終統計記録はまだ入っていないものの、少なくとも1,233人の死者が確認されている。地中海では2,452人の死者数が出ており、過去最多記録ではないものの、今後の適切な捜索や救助システムの整備、安全な移住ルートの確保がより一層求められる。
最近では、3月7日にイエメンの海岸沖にて180人以上の移民を乗せた2隻のボートが悪天候の影響で転覆し、多くの乗船者が死亡する事故が勃発した。このような事故による死者は依然として多いものの、世界各地で暴力を伴う移民の死亡が確認されている。2022年以降、記録された移民死亡者全体の10%は暴力が原因であった。2024年はその大部分がアジアの移民に対する暴力によるものだったことが報告された。
また、これらの数字は公式な資料に基づくものであるため、未確認の移民の死亡が危惧されている。そこで、IOMはミッシング・マイグランツ・プロジェクトにおいて、国境や移動の途中に死亡、または行方不明になった移民に関する記録や分析結果を提供している。
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アメリカ、フロリダ州付近で転覆した船に救助を求める移民(写真:Coast Guard News / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])
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