GNVニュース 2024年11月27日
2024年11月22日、ニカラグア議会で大統領夫妻の権限を強化する憲法改定案が満場一致で承認された。この改定案では現大統領のダニエル・オルテガ氏の任期が5年から6年に延長され、彼の妻であり現副大統領でもあるロサリオ・ムリージョ氏が共同大統領に格上げされる。また同改憲案では人々の権利の抑圧も強化される。例えば、政府に批判的な人物を「祖国の反逆者」と認定することで、政府はその人物のニカラグア市民権を剥奪できるようになる。これはすでに数百人もの人々に対して行われてきた措置ではあるが、それが改めて憲法で明文化されることになる。さらにメディアへの統制も強化され、政府がこれまで報道機関への規制をかけるために必要とされていた「外国の利益」の立証が不要となる。なお、改定案が成立するには2025年に議会で2回目の承認が行われる必要があるが、その可能性は高いと見られている。
ニカラグアでは2018年に300人が犠牲となった大規模抗議活動が行われて以降、権威主義的な色彩が濃くなっている。大統領夫妻は国家のあらゆる分野を掌握し、これまでに5,000以上の市民団体やNGOを非合法化した。また、政府に批判的な言論や活動に対する締め付けを強める法改定を進めている。
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米州機構の事務局長(右)と握手するオルテガ氏(中央)、それを見守るムリージョ氏(左)、2012年(写真:OEA – OAS / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
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