GNVニュース 2024年10月4日
2024年10月2日、欧州評議会議員会議(PACE)はウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏を「政治犯」と認定する決議を採択した。同議員会議は、2012年に政治犯の定義を欧州人権条約が保障する思想・良心・信教の自由、表現・情報の自由、集会・結社の自由などに反した抑留が行われた場合などと定めている。今回の決議では、イギリス政府によるアサンジ氏の扱いがアサンジ氏を政治犯と認めるに値するとした。
アサンジ氏は2019年にアメリカのスパイ防止法違反で起訴されていたが、罪が問われた内容は「本質的にはニュース収集と出版」だと同議員会議は主張した。問われていたいずれの罪においても有罪判決を受けていなかったにもかかわらず、アメリカへの引き渡しが検討されていた5年以上の間、イギリスにある凶悪犯罪者用の最高警備刑務所の独房監禁されていた。アサンジ氏は2024年6月に司法取引が成立、釈放され、10月1日に欧州評議会議員会議で証言した。採択された決議は以下のように、アサンジ氏の扱いによる世界への影響にも言及した。
「スパイ防止法に基づく前例のない有罪判決が、民主主義社会の機能にとって不可欠な事柄を報道するすべてのジャーナリスト、出版社、その他の人々に、危険な萎縮効果と自己検閲の風潮を生み出すことを深く懸念している。さらに、報道の役割と、世界中のジャーナリストや内部告発者の保護を著しく損なうものである。」
アサンジ氏の迫害についてもっと知る→「ジャーナリズムの犯罪化 (GNVポッドキャスト136)」
ウィキリークスについてもっと知る→「ジャーナリズムの犯罪化?ウィキリークスの迫害」
ジャーナリズムとリークについてもっと知る→「情報のリークとジャーナリズム」

欧州評議会議員会議(PACE)における投票の様子(写真:Consortium News / YouTube screenshot[Creative Commons Attribution license (reuse allowed)])
0 Comments