コンゴ東部ゴマが制圧され、人道危機が拡大

by | 2025年01月29日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 紛争・軍事

GNVニュース 2025年1月29日

コンゴ民主共和国(DRC)東部では、2025年1月から同国軍とルワンダの支援を受けているとされる反政府勢力「M23」の戦闘が激化し、M23によって戦略的要衝であるゴマが陥落したことがわかった。ゴマは、貿易や人道支援活動の拠点であり、特に空港は物資の輸送のとなっていた。さらに、数千人のルワンダ兵がDRCに進出していることが確認されており、国連事務総長アントニオ・グテーレス氏はルワンダに対し、コンゴ民主共和国領土からの軍隊撤退を要請、M23に対しては進軍を止めるよう求めた

この戦闘によって人道状況が深刻化しており、ゴマでは200万人以上の市民が壊滅的な影響に直面し、そのうち100万人はすでに避難を余儀なくされている。また、国連平和維持軍の少なくとも13人が死亡した。市内の多くの地域では電力と水の供給が遮断され、性暴力の被害も報告されており、病院も限界状態に陥っている

コンゴ東部には豊富な鉱物資源(金、スズ、タンタルなど)があり、他の地域にもコバルト、銅、ダイヤなども豊富で、全国では24兆米ドルの価値があると推測されている。M23やルワンダ政府はこうした鉱物資源を略奪することで、政治的・経済的影響力を掌握しようとしているという批評家の非難もある。

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コンゴ民主共和国北キブ州にて訓練を行う即応部隊(写真:MONUSCO Photos / Flickr [CC BY-SA 2.0])

1 Comment

  1. Anonymous

    報道されないコンゴ民主共和国の紛争、こんなことになっているなんて…。
    これまでどれほどの方達が命を落としてきたのか、今どれほどの方達が命の危機に晒されているのか、考えるだけで胸が張り裂けそうです。このニュースが大きく報道され、十分な人道支援が集まるきっかけになることを願うばかりです。
    世界の重要な出来事を取り上げてくれてありがとうございます。

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