GNVニュース 2024年11月1日
2024年全世界のデング熱感染者数は記録的な跳ね上がりを見せており、過去最高を記録した2023年のほぼ倍となる1,273万人を既に記録している。デング熱とはネッタイシマカが媒介するウイルス性疾患であり、ほとんどは発熱、発疹、筋肉痛、関節痛などの軽症である。強烈な骨の痛みを感じることもあり「骨折熱」とも呼ばれている。治療せず放置すると、特に5歳以下の子どもや、肥満、糖尿病、またはその他の併存疾患を持つ人々は、重症化・死亡のリスクが高まる。
デング熱は一般的にネッタイシマカが好む高温多湿の熱帯および亜熱帯の国に限定された疾患であった。そのため症例のほとんどがラテンアメリカで、次いで東南アジアの一部で、多く見られてきた。しかし、2023年からはアフリカ、2024年からはヨーロッパ本土、中国など世界中で感染が報告されている。この要因として、より広い温度範囲で繁殖でき、都市環境にもよく適応したヒトスジシマカの存在が挙げられている。気候変動、移民の増加、都市化、熱波によるヒトスジシマカの繁殖サイクルの加速も蚊の急速な繁殖拡大を助長している。デング熱の感染拡大抑制の為、世界ではデング熱の長年の経験国から洞察を得つつ、各地域の社会的背景に基づいて解決策を模索する動きが見られる。
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デング熱が世界的に感染を拡大しているということは耳にしていましたが、昨年から倍となるほどの拡大になっているとは知りませんでした。数年前「デング熱」と聞けば熱帯地域というイメージしかありませんでしたが、その脅威にも今では無関心ではいられなくなってきたと感じました。とても有意義でわかりやすい記事をありがとうございました!