GNVニュース 2024年9月13日
2024年9月に発表された国際労働機関(ILO)の報告書によると、世界人口の52.4%は少なくとも一種の社会福祉制度の保護を受けることができるようになった。2015年時の42.8%から着実に改善されている。しかし現在のペースでは、世界のすべての人が社会福祉制度へのアクセスを部分的にでも受けられるようになるのは2073年になり、ILOは進歩が「遅すぎる」と主張する。また、最貧国が置き去りにされている状況が続いており、これらの国では改善がみられていない。
社会福祉は、幼児を抱える家庭、高齢者、障害者、失業者、業務上負傷した者などさまざまな人を対象としている。低所得国では、社会福祉制度をどこまで拡大し、より多くの人々を包摂することが大きな課題となっている。また、保護を受けることができる人数がついに世界人口の半分を超えたとしても、限定的であり、あくまでの一種以上の保護であって全ての人の必要とするニーズが満たされているとは限らない。さらに、保護がある場合でも、国によって保護のレベルには大きな差が見られている。例えば、ナイジェリア政府の制度から得られる年金は、生存に必要な金額を大きく下回っている。
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年配の男性、パキスタン(写真:Asian Development Bank / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])
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