メキシコ:犯罪組織と軍事化進行下のチアパス州

by | 2024年08月30日 | GNVニュース, 北中アメリカ, 法・人権, 紛争・軍事

GNVニュース 2024年8月30日

2024年7月以降、メキシコのチアパス州で治安が悪化し、多くの人が国境を越えてグアテマラに避難している。これは、シナロア州とハリスコ州からの犯罪組織がメキシコ全土で、特にグアテマラ国境沿いの密輸ルートをめぐって激しい戦闘が続いているためである。長年にわたり、シナロアの組織がチアパス州を経由してアメリカ・メキシコ間で麻薬や武器を輸送するルートを独占していたが、2020年頃からハリスコ新世代という組織がこの地域に浸透し、状況が悪化した。

このような状況の中、メキシコの国家警備隊の軍事化が進み、住民に対する人権侵害がこれまでに複数報告されている。特にチアパス州では、暗殺や誘拐、強制退去が日常化し、住民たちは犯罪組織と政府の板挟みとなっている。2023年初めから、この州全体で少なくとも16,000人が暴力によって避難を余儀なくされている。また、1994年に反政府組織として、先住民の権利拡大のためにメキシコ南部で立ち上がったザパティスタ運動も今回の治安悪化に脅かされ、これまで力を入れてきた地域発展が崩される危機に直面している。

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兵士に抵抗する住民が描かれた壁画、チアパス州(写真:Adam Jones / Wikimedia Commons[CC BY 2.0])

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