GNVニュース 2025年4月23日
2025年3月28日、世界食糧計画(WFP)は過去例を見ない資金不足で数千万人が極度の飢餓に瀕していると発表した。今日紛争や経済危機、気候危機などにより食糧危機に直面する人々は増加しており、2024年には前年比で約10%の増加となる3億4,300万人が深刻な食糧危機に陥った。このように支援を必要とする人は増えているにもかかわらず、2025年に政府や企業、個人からWFPに寄せられた資金は前の年に比べておよそ40%減少しており、このままいけば1億2,300万人、つまり支援を必要としている人々の3分の1にしか支援を行えなくなるという。
WFPが最も危機的状況にあるとして緊急支援事業を展開している国は28カ国あるが、現在特にスーダンとハイチでそれぞれ記録上最悪の食糧危機が発生している。武力紛争が続くスーダンでは国民のおよそ半分の2,460万人が深刻な食糧不足を経験しており、そのうち63万8千人がWFPの定める最悪レベルである「壊滅的飢餓」に直面している。また、政府機能が事実上崩壊し武装勢力が抗争を続けているハイチでは、2025年6月には国民の半分以上の570万人が深刻な食糧不足に陥ると推定されている。なお、すでに国家レベル・地方レベルで複数の紛争を抱えており、さらに隣国スーダンの紛争の影響も受けている南スーダンでは人口の57%にあたる770万人が深刻な食糧不足に直面しており、2023年の780万人に迫る深刻な食糧危機が進行している。
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最も深刻な食糧危機に直面している国の1つ、ソマリアに向けた支援物資の積み込みの様子(写真:EU Civil Protection and Humanitarian Aid / Flickr [CC BY 2.0])
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