揺れ動くコンゴ民主共和国の和平プロセス

by | 2025年03月30日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 紛争・軍事

GNVニュース 2025年3月30日

2025年に入ってから、コンゴ民主共和国の紛争は戦況と交渉の両方で、多くの大きな変化が見られた。コンゴ民主共和国最大の反政府武装組織M23は、ルワンダ軍とともにコンゴ民主共和国東部で大きく前進し、同地域最大の都市ゴマとブカブを制圧した。M23は3月、鉱物資源の豊富な町ワリカレを占領し、後には撤退すると発表したものの、現在も留まり、陣地を強化している。

また和平プロセスにおいて、アンゴラの仲介の下、コンゴ民主共和国政府とM23の和平交渉が3月18日に開始される予定だったが、開始直前にM23は参加しないと発表した。その後、カタールがコンゴ民主共和国とルワンダの政府を直接仲介するようになったことが明らかになり、両政府は3月18日と28日に会合を開いた。それに伴い、アンゴラは紛争の仲介役を辞退すると発表した。

一方、地域組織である南部アフリカ開発共同体(SADC)は3月13日、コンゴ民主共和国の情勢を安定させるために派遣していた数千人の部隊を撤退させることを決定した。この部隊は2025年に入ってからコンゴ民主共和国で14人の兵士が戦死している。SADCとM23の間で、撤退のための合意が成立した。

また、コンゴ民主共和党政府を支援するために兵力を派遣していたブルンジは2月に撤退を発表したが、ルワンダとの対立が続くウガンダは数千人規模の部隊を現在もコンゴ民主共和国に駐留させている。地域紛争のさらなる拡大が懸念されている。

コンゴ民主共和国紛争の背景についてもっと知る→「世界に知られていない悲劇:コンゴ民主共和国

訓練中のコンゴ民主共和国軍の兵士(写真:MONUSCO Photos / Flickr[CC BY-SA 2.0])

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