GNVニュース 2025年3月7日
2023年8月から2024年7月にかけて、ブラジル・アマゾンにおける森林破壊の91%が許可を得ていない違法なものであったことが判明した。違法伐採はブラジル国立空間研究所(INPE)の衛星監視システムで検出された森林伐採のうち、連邦と州レベルの森林伐採許可データベースに記載されていないものの割合である。
ブラジルでは、私有地での経済利用を目的とした森林伐採は合法とされており、アマゾン熱帯雨林では所有地の最大20%まで政府発行の許可を得て伐採できる。しかし、16州の内8州だけが国家森林管理システム(Sinaflor)に州のデータを完全に統合させている状況である。その他の州では州レベルのみでデータが管理され、この断片化されたシステムが違法伐採の監視を制限し透明性の欠如を生んでいる。そのため、国家森林管理システムの強制使用による単一システムへの記録の一元化も進められている。
ブラジルのアマゾンにおける違法伐採の問題は、より広範な生物多様性保全の課題と密接に関連している。第16回国連生物多様性条約の締約国会議(COP16)で承認された資金調達メカニズムは、森林保護を含む生態系の回復に重要な役割を果たす可能性がある。また、2025年に開催される国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)からはブラジルが提案したトロピカル・フォレスト・フォーエバー・ファシリティ(TFFF)の開始も控えており、森林保全の前進が期待される。
TFFFについてもっと知る→「世界:森林を守る為の新たな基金TFFFとは」
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アマゾンの違法森林伐採地(写真:Joelle Hernandez / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])
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