早くもオーバーシュート・デーを迎えた国々

by | 2025年02月28日 | GNVニュース, 世界, 環境

GNVニュース 2025年2月28日

2025年2月26日シンガポールが早くもオーバーシュート・デーを迎えた。オーバーシュート・デーとは、仮に地球上の全員がある地域と同じ水準の消費をしたとした場合に、「人の需要量(エコロジカル・フットプリント)」が「その年に生態系が再生できる資源の量(バイオキャパシティ)(※1)」を上回る日を示したものである。つまり、生態系資源の「貯蓄分」に手を出し始め、持続不可能な消費を始める日である。すでにカタール(2月6日)、ルクセンブルク(2月17日)もオーバーシュート・デーを迎えており、これらの国は面積あたり生態的資源の利用量が多いことがわかる。2024年において、世界全体では8月1日にオーバーシュート・デーを迎えた。この日にちは年々早くなっており、地球上での生態的資源の劣化や枯渇が危険視される。

オーバーシュート・デー以外にオーバーディフィジット(生態学的赤字)デーという考え方も存在する。これはある国の居住者が、その国全体の生態系が1年間に提供できる資源量よりも多くの資源を要求し始める日のことである。自国の「貯蓄分」に手を出す、もしくは他国の生態系資源に頼り、自国の生態的資源量に見合っていない消費をしていることを示す指標でもある。日本は2025年においてすでに2月24日にオーバーディフィジット・デーを迎えている。

※1 バイオキャパシティは再生可能な資源をどれだけ生産し、廃棄物を吸収できるかを示すもので、主に、森林や耕作地、生産的な海など、生物学的に生産的な表面積で測定される。

オーバーシュート・デーとカタールについてもっと知る→「カタールW杯の期待に隠れた現実

生態系資源の一つである森林を守る取り組みをもっと知る→「世界:森林を守る為の新たな基金TFFFとは

国土面積に対しエネルギー消費の多いシンガポール(写真:Jimmy McIntyre / Flickr[CC BY-SA 2.0])

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