GNVニュース 2025年02月19日
2025年2月15日から16日にかけて、第38回アフリカ連合通常総会がエチオピアのアディスアベバにあるアフリカ連合(AU)本部で開催された。AUは、アフリカの55の国と地域が加盟する世界最大級の地域機関であり、2019年以降は年に一度、総会を開催している。今回の総会で、アフリカ東部に位置するジブチ共和国の外相を務めるマフムード・アリ・ユスフ氏が任期4年のAU委員会の議長に選ばれた。
2025年にAUが集中的に取り組むテーマとして発表されたのは、アフリカに住む人々が経験した奴隷制や植民地支配などに由来する歴史的不公平に対する賠償問題だった。国家元首と政府首脳によって「賠償によるアフリカ人とアフリカ系の人々のための正義」がテーマとして正式に発表され、歴史的な不平等の是正を求める姿勢を強調した。
さらに、会議ではコンゴ民主共和国東部の情勢も重要な議題の1つとなった。同地域では反政府勢力と政府軍の戦闘が激化しており、総会開催中の16日には南キブ州の州都ブガブが反政府勢力によって占領された。この状況を受け、AUはコンゴ民主共和国がさらなる混乱に陥り、国家の分裂や崩壊につながる可能性を懸念している。アフリカ地域の安定化に向けた対応の強化や平和維持の体制整備を求める声があがっている。
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第38回AU通常総会開会式の様子(写真:Paul Kagame / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])
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