GNVニュース 2025年2月12日
2025年2月10日、国際移住機関(IOM)は、リビア南東部の砂漠地帯で発見され2つの集団墓地に深い懸念を表明した。これらの集団墓地は、警察が人身売買の拠点を捜索した際発見されたものである。1つ目の墓地では19体の遺体が発見されている。また、2つ目の墓地では少なくとも30体の遺体が発見されており、遺体の数は70体にのぼる可能性がある。犠牲者の国籍や死因は調査中だが移民・難民の遺体である可能性があり、一部の遺体には銃創があるという。
リビアはアフリカや中東からヨーロッパを目指す移民や難民の主要な経由地であり、多くの移民が危険な旅の途中で搾取や暴力に直面している。このような現状を受け、IOMリビア代表を務めるニコレッタ・ジョルダーノ氏は、深刻な搾取や虐待に曝されている移民の人権の尊重と保護の必要性を強調した。さらに、IOMはリビア当局に対し、遺体の回収や身元確認、遺族への通知と支援を求めている。
また、IOMの調査によれば、2024年にリビアで発生した965件の移民・難民の死亡・行方不明事例のうち22%以上が、死亡者数が過小報告される傾向のある陸路で発生している。移民の人権保護を促進する国際的な取り組みを求める声が高まっている。
EUの移民・難民対策についてもっと知る→「EU:地中海を渡る移民・難民対策の実態」
リビアの独裁政権崩壊と混乱についてもっと知る→「リビア:和平への長い道のり」

チャドからリビアへ向かう難民(2018年)(写真:Gerhard Holub / Wikimedia Commons[CC BY-SA 4.0])
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