気候変動で2.4億人の子どもが教育危機に直面

by | 2025年01月26日 | GNVニュース, 世界, 教育, 環境

GNVニュース 2025年1月26日

国連児童基金(UNICEF)は2025年1月24日の国際教育デーに合わせて、2024年に発生した異常気象によって85か国の少なくとも2億4,200万人の生徒が学校教育において深刻な影響を受けたという分析を発表した。その報告書によれば、子どもたちは近年さらに熱波、暴風雨、干ばつ、洪水などの異常気象による深刻な影響に晒されている。2024年は生徒の7人に1人が気候変動による影響で授業を受けられなかった。また、南アジアにおいて1億2,800万人の生徒が、東アジア・太平洋地域では5,000万人の生徒が熱波による学校の閉鎖や時間短縮、熱中症リスクなどに晒されるなどの影響を受けた。さらに、エルニーニョによって東アフリカでは頻繁に大雨や洪水が発生し、南部アフリカの一部では深刻な干ばつが発生するなど、アフリカにも壊滅的な影響を与え、避難生活によって学校教育から遠ざかる状況となった。

気候災害は、学校のインフラや備品に損害を与え、学校への通学を妨げ、安全ではない学習条件を引き起こし、生徒の集中力、記憶力、心身の健康に影響を与える可能性があると指摘されている。また、学校閉鎖が長引くと児童婚や児童労働といった問題も助長され、特に少女らは災害によって学校を中退したり、ジェンダーに基づく暴力にさらされたりするリスクが増加する。

大手国際NGOなどが2023年初めに発表した別の報告書でも、世界の主要な気候基金のうち、子どもの支援のために費やされたのはわずか2.4%であることが明らかになった。また、子どもに焦点を当てた国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)の公式決定はこれまでになく、気候変動に対する取り組みにおいて子どもの声は抜け落ちている現状である。

気候変動への取り組みについてもっと知る→「気候変動問題における大きな一歩:ICJへの持ち込み

気候変動と報道の関係についてもっと知る→「気候変動とソリューション・ジャーナリズム

洪水中に学校から帰宅する子どもたち。インドネシア、西カリマンタン島(写真:CIFOR-ICRAF / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])

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