GNVニュース 2025年1月10日
2024年は18歳未満のすべての子どもの徴募と軍事利用を禁止する選択議定書を含む、国連子どもの権利条約35周年であった。しかし、2024年12月31日、コロンビアやコンゴ民主共和国、チャド湖流域、モザンビーク、サヘル地域、スーダン、ソマリア、シリア、ハイチにおいて、子どもの徴募と軍事利用が増加した事が報告された。これらの地域における子ども兵の大半は誘拐されて強制的に徴募されており、大多数は少女でレイプや性暴力を受け、人身売買されている。これらの地域の他にも子ども兵士の徴募がなされている地域は多数存在し、2005年から2022年の間に、確認されているだけで105,000人以上の子ども達が徴募され兵士として使用されている。
子ども兵士は戦闘員の他、偵察係、料理人、荷物運搬係、警備員、伝令など、様々な役割で利用されている。危険な労働や戦闘への従事は、死亡、慢性的な怪我、障害の大きなリスクを伴う。また、薬物使用の強制、過酷な訓練や入隊儀式への参加、拷問や殺人への関与や目撃などは、身体的・精神的健康に重大な影響を及ぼす。子ども兵を抜けてからも家族やコミュニティに再び受け入れられる事が困難な場合もある。子どもたちが武力紛争を生き延び、平和と教育を手にできるよう、人権法の責任ある実施や帰還した子ども達と家族のための心理社会的サポート、性暴力を受けた子ども達へのサポートなどが求められる。
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南スーダンの子ども兵士(写真: Isaac Billy / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
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