GNVニュース 2024年11月29日
10分ごとに1人、世界で女性と女児がパートナーや近親者の手によって殺害されていることを、国連女性機関(UN Women)と国連薬物犯罪事務所(UNODC)が2024年11月25日の報告書で明らかにした。性別を理由に女性または少女を殺害することはフェミサイドと呼ばれている。
報告書によると2023年に世界で起こった約85,000件の意図的な女性殺害のうち、60%が親密なパートナーや家族による殺害であった。そのうち、各地域での人口の割合が最も高かったのはアフリカで、南北アメリカとオセアニアが続く。殺害された人数が最も多かったのはアフリカ(21,700人)とアジア(18,500人)だった。ヨーロッパとアメリカ大陸では親密なパートナーによって、アフリカとアジアでは家族によって殺害される傾向が高い。虐待的なパートナーから逃れた後に殺害される、強制結婚の拒否によって家族から殺害されるなど、女性や女児が男性より劣っており、人生のあらゆる面で管理されなければいけないという誤った信念がこの事態を招いていると指摘されている。
しかし、フェミサイドに関するデータが入手困難な場合も多い。正確で透明性のあるデータ収集により、フェミサイドの実態傾向の監視や政策結果の進歩状況の追跡、国際比較による各国政府の説明責任の強化、フェミサイドの根本原因の理解に基づいた効果的な予防が可能になる為、データ収集改善の必要性が強調されている。
世界のフェミサイドについてもっと知る→「ラテンアメリカにおけるフェミニズム運動の拡大」

国際女性デーに行われたデモに参加する女性、チリ(写真:abriendomundo / Shutterstock.com)
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