握手を交わす人々、果物を運ぶ人々、地面に臥している人々。この風刺画は、1954年に中米のグアテマラで起こったクーデターをもとに描かれた。タイトルは『勝利の栄光』。アメリカ政府が当時のグアテマラで強い影響力を持っていた様子を描いたとされている。絵の中心で握手をしているのは、クーデターで新たに就任したグアテマラ大統領と、アメリカ政府の重役とされる人物である。二人の背後ではアメリカ政府からグアテマラ側への金銭授受の様子がうかがえる。
しかし、グアテマラのすべての人々が栄光を掴んだのではない。絵画の右側や下側には投獄・殺害されたりしている人物が、絵画の左側ではバナナを船に運ぶ人物が描かれており、栄光の裏側で起こった出来事も窺える。
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(写真:TortugaHalo / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0])
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