パキスタン:人体に悪影響を及ぼす記録的な大気汚染に直面

by | 2024年11月6日 | GNVニュース, アジア, 保健・医療, 環境

2024年11月6日、スイスに本社を置く空気質関係の事業を行っている企業であるIQAirの発表によると、世界の主要都市の大気汚染ランキングでは、パキスタン第2の都市であるラホールが1位となっている。ラホールでは大気汚染が深刻化しており、PM2.5の観測値は世界保健機関(WHO)の定める許容基準の40倍を超えている。

このような汚染により、ラホールでは小学校が一週間閉鎖となり、児童は自宅での待機が義務付けられる事態となった。政府はマスクの着用を促すほか、ドアや窓を閉め、不要不急の外出を避けるように要請している。さらに、建設作業やバーベキューレストランなどの制限が行われており、人々の経済活動にも影響を与えている。

パキスタンをこれほどまで汚染したのは一体何なのであろうか。主な原因は、火力発電やラホールで多く見られるディーゼル車が排出する排気ガス、初冬に行われる野焼きによる煙がある。冬は大気が安定しやすく汚染物質が滞留しやすい。それゆえ、まさに今の時期は、ラホールの大気汚染がより悪化する。大気汚染の問題は一国単位で改善に至るものではない。対立関係にあるパキスタンとインドだが、環境問題に立ち向かうため「環境外交」を求める声があがっている。

パキスタンの環境問題についてもっと知る→「パキスタンの気候危機:洪水、財政、未来

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ラホールの高速道路の入口の様子(写真:Osman198 / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0])

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