GNVニュース 2024年10月13日
世界最大の炭素吸収源であるコンゴ盆地でのカカオ栽培は、他の農業活動と比べて最大7倍も森林破壊に関連していることがプロスワン誌に掲載された研究で明らかになった。農家では、カカオの価格が世界市場で上昇しているなどの理由から、換金作物の栽培は利益が高いと見込まれ、農地拡大が進んでいる。しかし、栽培効率の悪い土地にまで開墾が進められていることが森林伐採につながっている。また、商社や大手チョコレートメーカーなどがチョコレート生産からの利益の大半を得ており、チョコレート生産でのカカオ農家が一本のチョコレートバーから得る収益は商品価格の6%という指摘もある。
森林伐採はカカオの生産以外でも深刻化している。森林宣言プラットフォームというネットワークが発表した報告書によると、2023年には世界で637万ヘクタールもの森林が失われた。これは2030年までに世界の森林破壊を食い止めるための誓約目標を達成する削減レベルを45%上回っている。また、上記の報告書によると、森林破壊全体の96%近くが熱帯地域で発生したという。熱帯林の伐採により、2023年には二酸化炭素換算で約37億トンが排出されたとも述べられている。森林破壊の要因は農業活動の他に道路建設、火災、商業伐採などもあげられる。
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カカオ農家、カメルーン(写真:CIFOR-ICRAF /Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
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