GNVニュース 2024年9月4日
カスピ海の海面は年々低下しており、2023年に史上最低である海抜マイナス29〜30メートルになった。カスピ海は世界最大の内海であり、カザフスタン、トルクメニスタン、イラン、アゼルバイジャン、ロシアに面している。2000年以降、海面低下の面積の約半分はカザフスタンの領海内で発生している。
カスピ海の海面は20世紀にも大きく低下しており、当時はソ連の工業化やダムの建設などでカスピ海周辺の集水域からの流入が減少したことがその要因となっていた。しかし近年、海面低下が加速する主な原因は気候変動だと言われている。雨量の減少とカスピ海の表面水温が上昇していることで、蒸発量が増えた結果、海面が下がっているという。2024年11月、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)はカスピ海に面している最大の都市であるアゼルバイジャンの首都バクーで開催される予定だ。同国のイルハム・アリエフ大統領はカスピ海の海面低下を「壊滅的」だと警鐘を鳴らしている。
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