GNVニュース 2024年9月1日
2024年8月、ランセット誌に掲載された調査結果によると、近年開発されたマラリア・ワクチン(PfSPZ)が妊婦に対してもマラリアを長期的に予防する効果が世界で初めて確認された。マリのバマコ首都で行われたこの調査で、世界で初めて、1度の投与で2年間の効果が確認された。
母子の健康へのリスクが考えられるため、通常、妊婦はワクチンの臨床試験の対象にされることが少ない。しかしマラリアそのものの妊婦へのリスクが大きい。妊娠中の女性は、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなっている時期に、重症マラリアに感染し発症するリスクが高まる。しかし、現に、妊娠中のマラリアにより、毎年5万人の妊婦と20万人の新生児が死亡している。これまでは、妊娠初期の女性を対象とした予防薬はなかった。しかし、予防に使われるワクチンができても、感染した場合に投与される治療薬において課題が残る。妊娠初期の合併症のないマラリア患者に対して、世界保健機関(WHO)が推奨している抗マラリア薬が1種類のみである。
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マラリア原虫を媒介することができるハマダラカ(写真: Dunpharlain / Wikimedia Commons [CC-BY-SA-4.0])
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