GNVニュース 2024年8月28日
2024年8月中旬から始まった大雨の影響で、バングラデシュで23人が死亡、570万人が被害を受けているとされている。28日現在、洪水は引きつつあるが、多くの人が孤立状態にあり、食料や安全な水、薬などが不足しているとされている。隣国インドでも洪水や地すべりの被害が報告されている。
バングラデシュは地形的に洪水の起きやすい国であり、気候変動の影響も顕著に現れる。しかし今回の洪水はインドとバングラデシュの関係にも波紋を広げている。バングラデシュでは、インド政府がトリプラ地方のダムから放水した際に事前通知を行わなかったことが、下流バングラデシュでの洪水被害をさらに悪化させたとの主張が広がっている。これに対し、インド政府は放水したことは事実だが、洪水で通信が遮断されたため通知が遅れたと弁明し、放水によるバングラデシュへの影響を否定した。インドに支持されていたバングラデシュのシェイク・ハシナ前政権が転覆した8月上旬からすでにインドとバングラデシュとの間の摩擦が高まっており、今回の洪水で関係がさらに悪化している。
バングラデシュでの洪水についてもっと知る→「バングラデシュの洪水:世界の縮図」
パキスタンでの洪水についてもっと知る→「パキスタンの気候危機:洪水、財政、未来」

2019年の洪水の際、ベンガル湾に流れた河川堆積物(写真:MODIS Land Rapid Response Team, NASA GSFC / Wikimedia Commons[Public domain])
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