バンクシーの世界(その20):「ミサイル投げ?」

by | 2021年08月10日 | ICHIMAI World

オリンピックの種目である槍投げだが、この選手は槍ではなく、ミサイルを投げているようだ。

ロンドンでオリンピックが開催された2012年に、同市の壁で発見された作品であり、ストリートアーティストとして活躍している「バンクシー」によるものだとされている。

当時、イギリス政府は飛行機がハイジャックされ、オリンピックの関連施設を狙ったテロ攻撃に使われる可能性があるとみて、それに備えて、ロンドン市内の民間の建物などに地対空ミサイルを配備していた。バンクシーの作品はオリンピック及びロンドンの軍事化に対する抗議だと捉えられた。

しかし、その文脈から切り離しても、オリンピックと「平和」について考えさせられる作品である。槍投げの槍はもともと戦争の武器であり、古代オリンピックは戦争のための準備だともされていた。現代オリンピックも、国家が自国の威厳を示すために「戦う」場でもあり、ナショナリズムを助長させる祭典だと考えられる。

バンクシーの作品はこのようなメッセージも込められていたのだろうか。

 

オリンピックと「平和」についてもっと読む→「平和の祭典?オリンピックの真の姿と報道

他のバンクシーの作品を見る→バンクシー・シリーズ

 

(写真:Dunk / Flickr [CC BY 2.0]) 

 

 

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