これは、パプアニューギニアでの救急船を使った巡回診療の様子だ。険しい山脈やジャングル、数々の離島の存在により孤立した村落が多いパプアニューギニアでは、安定した医療体制の確立や医療アクセスの確保が長年の課題となっている。
マラリアや結核といった主要な感染症はパプアニューギニアの大きな健康課題となっている。しかし諸感染症に対するワクチン接種率は近隣の島嶼国と比べても低水準に留まっている。また近年では生活習慣病を含めた非感染性疾患も増えており、新たな課題となっている。
医療体制が破綻状態にある農村部では、写真のような救急船を使った巡回診療によって診察・治療やワクチン接種などのサービスが提供されている。最近ではトラコーマという目の感染症の根絶が認定されるなど、一定の成果が認められるものの、資金の不安定性、医薬品物流の脆弱さ、人材不足、非感染性疾患と感染症の二重負荷、人口増加などの課題は依然として残っている。
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(写真:Department of Foreign Affairs and Trade / Wikimedia Commons[CC BY 2.0])
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