GNVニュース 2025年7月27日
国連世界食糧計画(WFP)は深刻な資金不足により、ナイジェリア北東部の130万人に対するすべての食糧・栄養援助を7月末に停止せざるを得なくなったと7月23日に発表した。WFPは2025年前半にはナイジェリア北部全域で飢餓を食い止めることができたものの、食料と栄養の在庫は完全に枯渇しており、最後の物資が7月初旬に倉庫から出荷された。
ナイジェリアでは現在、複数の武力紛争、インフレの上昇、気候危機の影響 などにより約3,100万人が飢餓に直面している。50カ所の栄養クリニックが閉鎖され、30万人の子どもが重度の栄養失調の危険にさらさる。さらに北部の紛争の影響を受けた地域では、過激派グループによる暴力の激化により現在も多くの避難民が出ている。食糧援助の停止は、人々に飢餓に耐えるか、移住するか、過激派グループによる搾取の危険を冒すかという選択を迫り、この地域をさらに不安定化させる おそれがある。
WFPはナイジェリアでの事業を維持するために年末までに1億3,000万米ドルを緊急に必要としていると呼びかけた。このような危機は同国を含む西アフリカと中央アフリカ全域に及んでいる。
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