充電中の電気自動車が並んでいる。走行中に二酸化炭素を排出しない電気自動車は、一見クリーンで持続可能なものに思われる。
しかし、視野を広げていくとそこまで単純ではないことが指摘されている。そのうちのひとつとして、バッテリーが挙げられる。電気自動車を作る上で必須となるバッテリーには、リチウムやコバルトなどの希少な鉱物資源が必要だ。これらの有限資源は主に低所得国で採掘されるが、その労働環境は非常に劣悪であり、得られる利益は不平等に分配されている。また、当然ながら採掘には環境への負荷が伴う。また電気自動車は電気で走るため、発電の過程で排出される温室効果ガスも考慮しなければならない。
このように、電気自動車であるというだけではクリーンと言い切ることはできない。真に持続可能であるというためには、サプライチェーンや動力、処分工程など見えにくいところまで考慮することが必要だ。
電気自動車のバッテリーについてもっと知る→「電気自動車の現実:環境と人権と持続可能性」
電気自動車と環境についてもっと知る→「電気自動車は環境に優しいのか?」
(電気自動車の写真:David Davies / Flickr [CC BY-SA 2.0])
(コバルトの採掘現場の写真:The International Institute for Environment and Development (IIED) / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
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