ノウルーズの炎

by | 2025年06月14日 | ICHIMAI World

松明を手に握り、高台から街を見下ろすように炎を掲げる人々。この写真はノウルーズを祝うクルド人をとらえたもの。ノウルーズはペルシャ語で「新しい日」を表し、イラン暦の元日にあたる春分の日に祝われる。主にシルクロード沿いの国々で民族の垣根を越えて祝われている大きなイベントであり、国際連合も3月21日を国際ノウルーズ・デーとしている。

ノウルーズはゾロアスター教に基づく祭典で、起源は3,000千年以上も前にさかのぼる。地域によって祝い方は多様だが、その中心的な特徴はペルシャ文字のSで始まる7つのもの。発芽穀物、ドライフルーツ、酢、にんにく、りんご、ウルシ、プリンが家庭のテーブルに飾られる。

ノウルーズはクルド人の間でも大切にされている祭りであり、さまざまな物語が伝えられている。その1つはこうだ。かつて邪悪な王の両肩に生えた蛇への生贄として多くの子供が犠牲になっていた。鍛冶屋のカワは子供の代わりに羊の肉を使い、子供たちを山に逃がした。時がたち戦士として成長した子供たちと共にカワはついに蛇の王を倒す。そして王の城の山の頂上でかがり火をともし、人々に彼らが自由となったことを伝えた。クルド人にとってノウルーズは闇に対する光の勝利という象徴的な意味も込められている。

 

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(写真:Keyvan Firouzei  / Wikimedia Commons [CC BY 4.0])

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