長期化するスーダン紛争で400万人以上が国外へ避難

by | 2025年06月11日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 中東・北アフリカ, 共生・移動, 紛争・軍事

GNVニュース 2025年6月11日

2025年6月3日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はスーダンで大規模な紛争が始まった2023年4月以降、国外に避難した人の数が400万人を超えたと発表した。そのうち150万人がエジプトへ、110万人が南スーダンへ、そして85万人がチャドへ避難している。

特にチャドの状況は深刻であり、2023年4月以降84万人以上の人々がスーダンからチャドに避難している。チャドが元々受け入れていたスーダンからの難民も合わせると、その数は1,200万人となる。しかし、受け入れ態勢は非常に脆弱であり、住居から水まで生活に必要なあらゆるものが不足している。

なお、国内避難民の数は2024年末時点で1,160万人にのぼると考えられている。2023年4月以降の紛争による死者数は明らかになっていないが、2024年6月時点でハルツーム州だけで6万人以上が死亡したという報告もあり、現在までのスーダン全体での死者数はこれを遥かに上回ると考えられる。

また、スーダン国内も危機的状況にあり、過密、食糧不足、水不足、劣悪な衛生環境などによりコレラなどの感染症が蔓延している。特にスーダン国軍(SAF)が2025年3月に掌握した首都ハルツームとその周辺では、避難していた人々の帰還が進む一方でコレラが急速に広がっており、1日に1 ,000件以上の感染が報告されている。また、スーダン全体では人口のおよそ半数に当たる2 ,500万人が深刻な食糧不足に陥っており、この状況が続けば次の1年間で数十万人もの死者が出る恐れがあると指摘されている。

スーダン紛争についてもっと知る→「スーダン紛争の行方

スーダンについてポッドキャストで聴く→「スーダン紛争(GNVポッドキャスト141

スーダンからの難民21万人以上が身を寄せているチャドの非公式難民キャンプ(写真:EU Civil Protection and Humanitarian Aid / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])

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