GNVニュース 2025年5月28日
2025年5月22日、インドのアミット・シャー内務大臣は、同国中央部のチャッティースガル州での治安部隊と反政府勢力「インド共産党マオイスト」との戦闘において、同勢力の最高幹部ナンバラ・ケシャヴァ・ラオ氏が死亡したことを明らかにした。
マオイストとは、中国の毛沢東の革命思想に影響を受けて誕生した勢力である。彼らの反政府活動は、1960年代後半に西ベンガル州ナクサルバリ村で起きた農民蜂起がきっかけとなっており、「ナクサル」として知られるようになった。以後、その活動は東部のジャールカンド州から西部のマハラシュトラ州まで広がり、インド全土の3分の1以上の地域にまたがっている。そして、その一帯は「赤い回廊」と呼ばれている。
このような、インド政府と反政府勢力の紛争は約60年間続いている。2000年から2024年にかけて、マオイストが関与した衝突で民間人と治安部隊あわせて1万1,000人以上が死亡し、治安部隊によって少なくとも6,160人のマオイスト戦闘員が殺害されたという統計も出ている。また、政府は、ナクサル派の根絶を2026年3月31日までに達成することを目標としており、その一環として「黒い森作戦」を通じ、ナクサル派への攻勢を強めている。
マオイストについてもっと知る→「紛争後の正義の行方:ネパール」
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写真:ナクサル派のシンボル(Shreyans Bhansali / flickr [CC BY-NC-SA 2.0])
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