GNVニュース 2025年5月18日
2025年5月11日、マリを拠点にサヘル地域一帯で活動しているアルカイダの系列組織のイスラム・ムスリムの支援団(JNIM)がブルキナファソ各地で大規模な攻撃を行なった。このうち、ブルキナファソ北部の街ジーボでは警察署や市場が襲撃を受けた。この攻撃について政府はまだ公式声明を出していないが、少なくとも数十人が死亡したと報道されている。この日の攻撃ではJNIMは数時間ジーボを占領した後に撤退した。また、同国のロルム県でも攻撃があり、JNIMは60人の兵士を殺害したと主張している。この日の攻撃は2024年8月以来最大規模であり、ブルキナファソ国内の最大8カ所で行われたという。さらに、翌12日にはブルキナファソ東部のディアパガでも攻撃があり、破壊や放火、囚人の解放などが行われた。
ブルキナファソは、隣国のマリやニジェールと共に軍部が政権を握っており、権利の抑制と人道状況の悪化が進んでいる。また治安の悪化により避難民も増加しており、現在この3カ国で少なくとも280万人が国内避難民となっている。
さらに、近年サヘル地域で活動していた武装勢力の活動範囲が南に拡大している。特にJNIMはブルキナファソやニジェールを拠点として、2021年以降ベナンやトーゴへの攻撃を増やしている。2025年4月、JNIMはベナン北部のブルキナファソとニジェールとの国境付近でこの地域では最大規模となる攻撃を行い、50人以上の軍の兵士が死亡している。
ブルキナファソについてもっと知る→「ブルキナファソで何が起きているのか?」
西アフリカの情勢についてもっと知る→「変容する西アフリカの国際関係」

2018年に武装勢力の攻撃を受けて破壊されたマリ、モプティの建物(写真:Mission de l’ONU au Mali – UN Mission in Mali / Flickr [CC BY-NC-SA 2.0])
0 Comments