GNVニュース 2025年4月27日
インドネシアでは、世界最大規模での森林伐採プロジェクトが進行しており、2024年には約175,400ヘクタールの森林が失われるなど森林破壊が深刻化している。
インドネシアでは2014年から2024年にわたるジョコ・ウィドド前政権下で、国の食料安全保障の向上を目的とした大規模農園「フード・エステート」の建設構想が復活したが、懐疑的な評価があった。現大統領のプラボウォ・スビアント氏は、より多くの再生可能資源開発を追求するため再生可能燃料であるバイオエタノールを生産するためのサトウキビやトウモロコシなどの作物のほか、コメなど食用作物の増産も含め、こうしたプロジェクトを拡大してきた。バイオエタノールなどのバイオ燃料は輸送の脱炭素化に重要な役割を果たしている。しかし、バイオ燃料の拡大が持続可能な形で開発されるためには、土地利用、食料、その他の環境要因への影響を最小限に抑える必要があると国際エネルギー機関(IEA)は警告している。
インドネシアは世界で3番目に大きい熱帯雨林を有し、絶滅危惧種の野生動物や植物が数多く生息しているが、加速する森林破壊によって生物多様性が危機にさらされている。また、この地域のパプアの先住民コミュニティらは、生活や文化的アイデンティティが脅かされると訴えている。さらに、AP通信の入手した政府未公開評価によれば、このプロジェクトにおける土地造成に伴う二酸化炭素排出量は3億1,500万トンと推定されているが、その2倍の排出量になるとの推定もある。
他国の森林破壊についてもっと知る→「マレーシア:森林破壊は止められるのか」
インドネシアにおける先住民と土地所有権についてもっと知る→「インドネシア:ウィドド政権下で変わる先住民の土地所有権」
西パプアについてもっと知る→「西パプア:激化する対立」

(写真:インドネシア:西パプアにおける森林破壊の様子)
International Partnerships Facility EFI / Flickr [CC BY-NC-SA 2.0]
0 Comments