クーデター後初となる選挙が実施:ガボン

by | 2025年04月16日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 政治

GNVニュース 2025年4月16日

2025年4月12日にガボンで大統領選挙が行われ、軍の最高指導者であるブライス・オリギ・ンゲマ氏が90.35%の得票率を獲得し、大統領に暫定的に選出された。今回の大統領選挙は2023年にンゲマ氏が主導した軍事クーデター以降初となる。このクーデターで前大統領のアリ・ボンゴ氏が彼の父親とともに築き上げた55年間の長期政権が終焉を迎えることとなった。

ンゲマ氏はクーデター後に行われた新憲法の起草にも携わった。新憲法の草案では、これまで任期5年で再選回数に制限がなかった制度が見直され、再選は1回のみ可能な7年の任期へと変更された。また、大統領の家族が国家の要職に立候補することも禁止された。これらの制度は、ボンゴ家の長期政権を可能にしていた仕組みに終止符を打つものとなっている。

一方で、新政権が前政権と本当に決別できるのかという疑問も残る。実はンゲマ氏はボンゴ氏のいとこであり、ボンゴ前大統領の下で共和国防衛隊の長官を務めていた。さらに、ンゲマ氏の外交姿勢には前政権の流れを感じさせる側面もある。特に、ガボンの旧宗主国であるフランスとは引き続き密接な関係を保っており、ボンゴ時代からの連続性をにじませる形で外交を展開している。

こうした背景を踏まえると、前政権との違いを打ち出す一方で従来の外交方針との連続性も見られる新政権の動向については、今後の展開を引き続き注視する必要がある。 
 
ガボンとフランスの関係についてもっと知る→「ガボンとフランスの「特別」な関係

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大統領に就任したブライス・オリギ・ンゲマ氏(写真:UNclimatechange / Flickr[CC BY-NC-SA 2.0])

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