アルゼンチンで緊縮財政に反対するゼネスト発生

by | 2025年04月13日 | GNVニュース, 南アメリカ, 経済・貧困

GNVニュース 2025年4月13日

2025年4月10日、アルゼンチンで24時間にわたるゼネラル・ストライキが発生し、列車や地下鉄など公共交通機関の運行が乱れ、航空便の欠航や配達の停止、学校・病院・銀行など多くの公共サービスが閉鎖されるなどの影響が出た。これはハビエル・ミレイ大統領の率いる緊縮財政政策に反対する動きであり、同国労働組合の統括団体である労働総同盟(CGT)が主導となって、労働者、失業者、年金受給者、教育者、学生など、同政権の緊縮財政措置と歳出削減計画の影響を受ける人々が参加した。

ミレイ氏は2023年12月の就任以来、アルゼンチンが直面している慢性的なインフレ打開に向けて数万人の公務員の解雇、年金の凍結、炊き出しの削減、福祉プロジェクトの削減、公共事業の撤廃・補助金の削減などに取り組んできた。この一連の歳出削減による国民への打撃は大きく、同国政府によれば、ミレイ氏の就任からわずか半年で貧困率が過去20年間で最も高い50%以上に急上昇した。2024年後半にその数値は38.1%まで大幅に下がったが、依然として約1,130万人が貧困状態にあり、そのうち250万人が深刻な貧困状態にあるという。

国際通貨基金(IMF)による救済支援策で総額200憶米ドルの融資を同政権に行うことが合意されたが、アルゼンチンは既にIMFに対して440億米ドルの債務を抱えている。

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アルゼンチン・ブエノスアイレスのレティ―ロ駅。ゼネスト当日は駅構内は閑散としていた。(写真:Mariano Mantel / Flickr [CC BY-NC 2.0] )

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