世界障害者サミット2025の開催

by | 2025年04月6日 | GNVニュース, 世界, 共生・移動, 教育, 法・人権, 紛争・軍事, 経済・貧困

GNVニュース 202546

202542日から3日にかけて、ドイツの首都ベルリンにて世界障害者(※1)サミット2025(GDS25)が開催された。国際障害者同盟(IDA)が開催を主導し、ドイツ政府、ヨルダン政府が主催した。サミットの目的は、世界中で障害のある人々の包摂を活性化することである。政府、学術機関、障害者団体、財団など多くの関係者が集まり議論を重ねた。

GDSは、障害者への援助を促す役割も果たしている。世界中の障害のある人々13億人のうち、約80%が低所得国及び中所得国に暮らしている。USAIDの援助削減や、ヨーロッパ諸国の援助削減の検討などによって、彼らは影響を大きく受ける可能性があるという。

国連副事務総長アミーナ・J・モハメッド氏GDSにおいて、障害者包摂のための援助不足を強く訴えた。低所得国の約90%には障害者の教育の保護に関する法制度があるが、そのうちバリアフリーの学校があるのは3分の1であり、さらにその半数はバリアフリーの交通手段が不足しているという。

障害のある人々は、偏見、差別、貧困、教育、雇用、政治プロセスからの排除などの不平等に直面しやすい。また、障害のある子どもは、障害のない同年代の子どもより学校に通えない割合が49高い。

GDSでは、教育を後回しにはできない基金(ECW)や教育のための世界パートナーシップ(GPE)が、紛争など危機的状況化にある障害のある子どもたちへの支援強化を世界中のリーダーに訴えた。質の高い教育へのアクセスの公平性は、政治的安定にもつながるという

各国の福祉制度についてもっと知る→「ウルグアイ:介護を支え、女性の立場を向上させる社会のあり方

1「障害者」の漢字表記は、害という字は障害がある人本人に対する言葉ではなく、社会的な妨げを意味するものであるという考えによる。

歩道上の車椅子(写真:Clyde Robinson / Flickr [CC BY 2.0])

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