GNVニュース 2025年4月2日
2025年3月17日、ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は首都リマで非常事態を宣言した。非常事態宣言は30日間にわたり、市民の集会や移動の自由などを含む権利が制限される。
非常事態宣言が出された背景には、ペルーの治安悪化がある。2024年の殺人件数は2,057件に達し、2017年の674件と比べて大幅に増加した。この宣言により、地元警察の支援を行うために約1,000人の兵士がリマに派遣され、駅などの主要な交通機関に配備される。
また、治安悪化に対応しきれず、不支持率が93%のボアルテ大統領に対し、辞任を求める声も高まっている。ボアルテ大統領は、政情の安定を図るため、1年後の2026年4月に総選挙を実施する方針を発表した。この総選挙では、新たな大統領と60名の上院議員、130名の下院議員が選ばれる予定で、1990年代初頭以来の二院制選挙になる。
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ディナ・ボルアルテ大統領(写真:Presidencia Perú / Flickr[CC BY-NC-SA 2.0])
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