緊張が高まる南スーダン

by | 2025年03月23日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 共生・移動, 紛争・軍事

GNVニュース 2025年3月23日

南スーダンのアッパーナイル州で衝突がエスカレートし、中央政府の対立する勢力が、武力紛争状態に戻ることが懸念されている。引き金となったのは、ホワイト・アーミー(白軍)として知られる武装勢力が、2025年3月に南スーダン人民軍に対して開始した攻撃である。その中でも、政府軍を乗せた国連南スーダン派遣団(UNMISS)のヘリコプターが銃撃を受け、乗組員1人と南スーダン軍の隊員数人が死亡したことが特に注目を集めた。この攻撃は白軍によるものとされた。白軍は1990年代に誕生し、主にヌエル人を中心とする武装勢力である。

サルバ・キール大統領は対立するリエク・マチャル第一副大統領が白軍に協力していると非難している。 マチャル氏はこの非難を否定しているが、3月に大臣を含むマチャル氏の数人の味方が白軍を武装させた容疑で逮捕された。また、隣国ウガンダは南スーダン政府を支援するために南スーダンに軍を派遣したが、マチャル側はこれに反対している。

南スーダンが2011年に独立したが、中央政府をめぐりキール派とマチャル派の間の武力紛争が2013年と2016年に勃発した。現在も多くの局地的な紛争が続いているが、2018年にキール氏とマチャル氏の間で権力分担協定が結ばれ、近年、国家レベルでの平和は維持されてきた。

南スーダン情勢についてもっと知る→「南スーダン:不安定な政治と深刻な自然災害

南スーダンと国際報道についてもっと知る→「南スーダン:報道されないアフリカでなぜ報道されるのか

南スーダンの平和を願うメッセージが込められた壁画。ジュバ首都の国連PKO基地内に描かれる最中(写真:Virgil Hawkins)

0 Comments

Submit a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *