世界のパーム油価格の高騰の可能性

by | 2025年03月12日 | GNVニュース, アジア, 経済・貧困, 農業・天然資源

GNVニュース 2025年3月12日

さまざまな製品に使われているパーム油に対し、価格上昇の可能性が指摘されている。インドネシア政府は2025年、バイオディーゼル燃料へのパーム油の混合義務を現在の35%から40%に引き上げた。2026年には50%に引き上げることを検討されている。この施策が実行されれば、インドネシアでのパーム油の国内需要が増え、インドネシアのパーム油輸出量は2024年2,950万ンから2030年にはわずか2,000万トンにまで減少するという予測もある。

しかし、生産量を増やすのは容易ではない。例えば、プランテーション開発に伴う環境破壊の問題があり、2018年からインドネシアにおいてプランテーション開発の新規許可は行われていない。また、植林から年月の経った木々はパーム油の生産量が落ちるが、木々の植え替えをして、パーム油が取れるようになるまで3~4年の年月が必要になるため、生産者は植え替えを控えることがある。

現在、パーム油はインドネシアが世界の58%の生産量を誇っている。そのためインドネシアにおけるパーム油の需要の変化は、他の国にも影響を及ぼす。すでに、世界的にパーム油の価格は大豆油の価格よりも高くなっている。今後、このパーム油の価格上昇は大豆油やひまわり油などの他の燃料の価格上昇にも波及効果をもたらす可能性がある。

パーム油生産と森林破壊についてもっと知る→「マレーシア:森林破壊は止められるのか

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インドネシアのパーム油プランテーションの様子(写真:ILO Asia Pacific / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])

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