コロンビア:武装集団衝突による治安悪化

by | 2025年02月16日 | GNVニュース, 南アメリカ, 紛争・軍事

GNVニュース 2025216

 コロンビアとベネズエラの国境地帯における武装集団の衝突によって、コロンビアでは20251月以降から約54,000人が自宅を追われ、数日間で推定80人が死亡し、治安悪化が深刻化している。こうした状況を受け、コロンビア政府は特に武装勢力による影響を受けているカタトゥンボ地域に非常事態を宣言し、新たな税金を課すことで緊急救援活動の資金の確保を試みている。

 この背景には複数の武装集団と政府の衝突がある。反政府武装勢力である民族解放軍(ELN)は麻薬の密輸や金鉱採掘などの違法活動を資金源として勢力を拡大し、隣国ベネズエラの治安に影響を与えている。また、元反政府勢力のFARCとコロンビア政府は2016年に和平合意が成立しているが、その合意に納得していない派閥の1つが和平プロセスから分裂した。その後、FARCから分裂した別の武装勢力も活動を始め、隣国エクアドルにも拠点があるとされている。政府はそれらのグループと和平交渉も続けており、ELNもFARCと同じように和平交渉を進めていたが、その継続に対して懸念が広がっている。

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(写真:ELNの兵士 Brasil de Fato / Flickr [CC BY-NC-SA 2.0] )

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