GNVニュース 2025年2月9日
ブラジルにおいて、警察の暴力は深刻な問題である。2023年には6,300人以上が特定の罪の容疑者か不明なまま、なんらかの被疑で警察によって撃たれるなどして命を落とし、そのうち82.7%は「黒人」だとされている。こうした状況を受け、主に低所得コミュニティの若い男性犠牲者の母親たちは団結し、警察の人種差別的な暴力に対する政策の改革のために動き始めている。
2024年9月からは、警察によって子どもを失った母親100人を巻き込み、リオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)と国家暴力の影響を受けた人々のためのネットワーク(RAAVE)によるプロジェクトが開始されている。このプロジェクトは、警察による暴力の影響を受けた人々の権利の保証を含む公共政策の提案を司法公安省に提示することを目的としており、この1年間のプロジェクトで、母親たちは毎月助成金を受け取りながら、「研究者」として公共政策の議論や提案を行う。
残された遺族は、子どもたちを失った精神的な痛みに加えて、多くの場合、経済的に不安定な貧困環境に置かれている。実際、プログラム参加者のうち半数以上は雇用関係を持っていない。しかし、遺族となった人々への金銭的または法的な援助は行われていなかった。
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貧民街を飛行パトロールする警察(写真:A.PAES / Shutterstock.com)
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