表現の自由への圧力強まる欧州、スイスでもジャーナリスト逮捕

by | 2025年01月31日 | GNVニュース, ヨーロッパ, 報道・言論, 法・人権

GNVニュース 2025年1月31日

独立オンラインメディア、エレクトリック・インティファーダは同社の最高責任者でジャーナリストのアリ・アブニマ氏がスイス当局に逮捕、2日間の勾留ののちに国外追放になったと報じた。エレクトリック・インティファーダはパレスチナへの連帯を示す報道機関の一つであり、今回のスイス当局によるアブニマ氏の逮捕と国外追放も、イスラエル・パレスチナ紛争における欧米各国によるパレスチナ支持者の封じ込めの一貫であるという見方もされている。人権状況についての調査や監視を行う立場にある専門家、国連報告者の一人は「ヨーロッパにおいて表現の自由を取り巻く状況はますます深刻な状況になっている」と自身のXアカウントで表明した。

2023年以降のイスラエル・パレスチナ紛争激化に伴い、ヨーロッパでジャーナリストが逮捕されたのはアブニマ氏のケースが初めてではない。イギリスでは、2024年9月にイスラエルとハマスの紛争に焦点を当ててYoutube動画配信を行なっていたフリージャーナリストが拘束され電子機器が押収されており、10月にはパレスチナの占領とイスラエルによるイギリスへの影響を報じていたジャーナリストが家宅捜索を受け電子機器が押収された。いずれのケースでも、捜査、拘束の根拠としてイギリス当局はテロ法に言及している。

イスラエル・パレスチナ紛争の激化はパレスチナの市民に甚大な被害をもたらし、国際司法裁判所はイスラエルによる虐殺に当たる可能性を示唆している。一方で、ヨーロッパ各国では市民によるパレスチナの人々への連帯を示す言動やデモが禁止されるなど、基本的人権の一つである表現の自由の制限とパレスチナ支持の声が抑圧される傾向が強まっている。

ヨーロッパでの表現の自由の制限についてもっと知る→「イスラエル・パレスチナ紛争で脅かされるヨーロッパの表現と集会の自由

ガザをめぐる報道の自由を訴える女性(チェコ、2023年)(写真:Tomas Vynikal / Shutterstock.com)

1 Comment

  1. Anonymous

    ヨーロッパではこのようなことが起こっていたんでね、知りませんでした。パレスチナ支持を抑圧していると言うのも小気味悪いですね。参考になります。

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