GNVニュース 2025年1月19日
2025年1月、16カ国46人のジャーナリストが主導する「永遠の汚染プロジェクト」の調査報告が発表された。有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を総称したPFASをめぐる調査で、PFASを制限する取り組みを阻止するために化学業界が行ってきた組織的なロビー活動と、ヨーロッパ全域でのPFASの浄化コストについて発表された。
その調査によれば、特にプラスチック業界で見られるほとんどのロビイストの議論は虚偽を含むものや誤解を招く内容であり、欧州連合(EU)によるPFAS規制の仕組みを骨抜きにしようとするロビー活動が横行していたことが分かった。また、この有害物質が無制限に排出され続けた場合、ヨーロッパにおけるPFAS汚染の洗浄には、20年間で2兆ユーロ、年間1,000億ユーロという驚異的なコストがかかることが初めて明らかになった。
PFASは、1940年代に初めて製造され、その安定性、低摩擦、水や油をはじく性質から、食品包装から半導体製造に至るまで、様々な商産業の製品や鉱業プロセスにおいて幅広く使用されてきた。しかし同時に、これらの物質は難分解性、高蓄積性、長距離移動性の性質をもち、人体や環境に残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれている。免疫機能の低下や子どもの発達の遅れ、癌リスク増加などにつながることが指摘されている。
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PFASを生産する工場(写真:Make more Aerials / Shutterstock.com)
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