命を落とすジャーナリスト、一部統計では過去最多記録

by | 2024年12月25日 | GNVニュース, 世界, 中東・北アフリカ, 報道・言論, 紛争・軍事

プレス・エンブレム・キャンペーンによれば、世界でのジャーナリストの死亡件数は2024年12月中旬までに報告されただけで、少なくとも21カ国で165件に上るという。近年、ジャーナリストの死亡件数は増加傾向にあり、2023年と比較しても18%増加しており、2006年からの期間でみても過去最多だ。今年は特にパレスチナの紛争地帯での犠牲者が多かったものの、南アジアや中南米地域、東南アジアでの犠牲者も後を絶たない。別の統計では、現在投獄されているジャーナリストは2023年から7.2%増の550人、人質としてとらわれている人数は55人、行方不明者は95人にも上るとも報告されている(※1)。

ジャーナリスト殺害ケースの85%は刑事罰に問われることさえない。一方で、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)はジャーナリストを保護し、彼ら彼女らへの攻撃を防ぐことを目的として「ジャーナリストのための国内安全メカニズム・リポジトリ」を作成している。このリポジトリでは、各国によるジャーナリストの安全を守る取り組みを予防、保護、訴追という3つの軸の少なくとも1つを参照することができる。

世界のジャーナリストが置かれている状況についてもっと知る→「脅威にさらされるジャーナリスト

表現の自由、集会の自由への弾圧についてもっと知る→「イスラエル・パレスチナ紛争で脅かされるヨーロッパの表現と集会の自由

※1 ジャーナリストの死亡に限らず、紛争等での死者数の統計は調査方法や測り方によってばらつきがみられる。2024年12月24日の段階で、プレス・エンブレム・キャンペーンが報告するジャーナリストの死亡件数は165件、ジャーナリスト保護委員会による報告では82人 、国境なき記者団による報告では54人であった。いずれの報告からも状況が深刻であることがわかる。

ガザでイスラエル兵に殺害された同僚のためにろうそくをともすジャーナリストたち(2022年)(写真:Anas-Mohammed / Shutterstock.com)

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