コロンビア:コカイン生産量1.5倍に急増と推計

by | 2024年10月30日 | GNVニュース, 南アメリカ, 法・人権, 経済・貧困

GNVニュース 2024年10月30日

2024年10月18日、国連薬物犯罪事務所(UNODC)は2023年にコロンビアで生産されたコカインの量が前年比で53%の増加となる2,664トンになる見込みだと発表した。コカインはコカの葉を原料とする粉末状の薬物であり、摂取すると間もなく多幸感を感じるが、後に離脱症状と呼ばれる悪影響をもたらし、過剰に摂取すれば死亡する場合もある。このコカイン急増の背景には、コカの木の耕作面積の増加や収穫量の増加、加工技術の向上などがあると考えられている。なお、製造・密輸などにかかわる国内外の犯罪団体はコカインの流通から大きな利益を得ているため、コカインの増産はこれらの組織の活性化を招き、結果として暴力の助長につながっていると指摘されている。

また、コカインの経由地では10月に入って大規模な押収が相次いている。スペインではバナナ輸送用のコンテナに偽装された13トンのコカインが押収された。また、メキシコ当局は8.3トンに相当する薬物を太平洋上で押収した。このように各国が薬物の取り締まりで成果を上げている一方、生産・輸送アクターの細分化や輸送経路の複雑化など、取り締まりを回避するための変化も見られる。

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コカインの原料となるコカの葉(写真:Danna Guevara / Wikimedia Commons [CC BY 4.0])

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