GNVニュース 2024年10月20日
2024年10月7日に発表された世界気象機関(WMO)による「世界の水資源の現状」報告書によると、過去5年連続で世界の河川の流量と貯水池の流入が平年を下回っており、2023年には史上最低を記録したことが明らかになった。現在36憶人が水不足に直面し、2050年までに50憶人を超える予測になっているという。
2023年はラニーニャからエルニーニョへの移行や人為的な気候変動の両方によって観測史上最も暑い年となった。その影響で長期にわたる干ばつと広範囲にわたる洪水が引き起こされ、世界中で深刻な水循環の現状が明らかになっている。北米、中南米の大部分で河川の流量が減少し、ミシシッピ川流域とアマゾン川流域では2023年に記録的な低水位が報告された。また、ガンジス川とメコン川流域も平均を下回る状況に見舞われたという。
さらに、過去50年間に記録された中で氷河が最大の質量損失を被り、600ギガトン以上の水が失われたことになった。全体として、世界の集水域の50%が異常な状況を示しており、農業や工業、生態系に必要な水量が失われている。水資源の課題に対処するための緊急の行動が求められている。
東南アジアの干ばつについて知る→「メコン川の危機」
中央アジアの水危機について知る→「中央アジアにおける水危機:キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン」

漁業を営む女性たち(写真:United Nations, Mukhopadhyay Somenath / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
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