GNVニュース 2024年10月6日
2024年9月30日、国連安全保障理事会は2023年からハイチで配備されていた多国籍治安支援(MSS)ミッションの任務期間を1年間延長することを決議を採択した。このミッションはケニアの警察部隊が中心となっており、近年著しく低下しているハイチの治安対策として導入されている。正式な国連平和維持活動(PKO)に切り替える提案があったものの、今回は見送られた。現在派遣されている部隊は約410人にとどまっている。
ハイチの政府の統治能力が低下するなか、武装勢力(ギャング)が勢力を拡大している。10月3日には、武装集団の襲撃によって女性や子どもを含む70人が死亡したという報告がある。こうした治安の悪化で、ハイチの人口の約半分にまで及ぶ推定540万人の深刻な食糧不足も起きている。また、ハイチでは国内外で多くの避難民が発生しており、国内避難民の数は過去6か月でほぼ倍増し70万人を超える。隣国ドミニカ共和国にも難民が流入しているが、同国政府はハイチからの移民を週に10,000人追放すると発表するなど、強硬姿勢を取っている。
ハイチの抱える課題の背景や軍事介入についてもっと知る→「ハイチ:政府の不在とその展望」
ハイチの現在までの歴史を知る→「揺れるハイチの概要」
ドミニカ共和国についてもっと知る→「ドミニカ共和国:国際情勢から見える内情」

ハイチの避難民キャンプの様子(写真:Pan American Health Organization / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])
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