ジャーナリズムという「罪」:ジュリアン・アサンジ氏の釈放後の初証言

by | 2024年10月2日 | GNVニュース, ヨーロッパ, 世界, 報道・言論, 法・人権

GNVニュース 2024年10月2日

2024年10月1日、ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏は2024年6月にイギリスのベルマーシュ刑務所から釈放されて以来、初めて声明を発表した。7年間に渡るイギリス政府による収監などが人権侵害、拷問に当たるとして、欧州評議会の法務・人権委員会による公聴会で証言が求められた。

ウィキリークスが内部告発者を通じて、アメリカを含む多くの国の政府による人権侵害、戦争犯罪、汚職などを暴いた後、アサンジ氏はアメリカのスパイ防止法違反の疑いで起訴された。アサンジ氏はやがてイギリスからの引き渡しを求めたアメリカ政府と司法取引を成立させ、釈放された。情報を公開した報道・出版関係者がアメリカのスパイ防止法違反で有罪判決を受けたのは史上初めてだった。アサンジ氏は、司法取引について「正義より自由を選んだ」とし、以下のように述べた

「システムが機能したから、私は今日自由なのではない。何年も投獄されていた私が今日自由の身であるのは、ジャーナリズムの罪を認めたからだ。私は情報源から情報を求めた罪を認めた。情報源から情報を入手したことを認めた。そして、その情報を一般大衆に知らせたことを認めた。それ以外の罪は認めていない。… ベルマーシュの牢獄から出た今、真実はもはや見分けがつかないように思える。真実を表現することが、どれほど損なわれ、攻撃され、弱体化し、衰退してきたことか。私は、より多くの免罪符、より多くの秘密、真実を語ることに対するより多くの報復、より多くの自己検閲を目にする。」

アサンジ氏の司法取引についてもっと知る→「ジャーナリズムの犯罪化 (GNVポッドキャスト136)

ウィキリークスについてもっと知る→「ジャーナリズムの犯罪化?ウィキリークスの迫害

ジャーナリズムとリークについてもっと知る→「情報のリークとジャーナリズム

証言するアサンジ氏(写真:Consortium News / YouTube screenshot[Creative Commons Attribution license (reuse allowed)])

1 Comment

  1. 誰でも無い

    natoみたいな暴力装置が言論弾圧するのはある意味平常運転。自由より命が大事という理論武装。良いか悪いかは別として(私も迷う)。ただロシアのシベリア(アジア人)差別とか中東でのアメリカのアラブ差別や虐殺加担ははっきり邪悪。アサンジを弾圧したからパレスチナの子供が虐殺された。アメリカがアラブ人(等) 虐殺をやりまくった。仮に爆死5万人餓死5万人という常識的な推定すれば、すでに2024年には一万人の子供が殺されたもしくは死にかけたという赦しがたい犯罪。餓死人数に一切触れずガン無視する日本のマスコミやbbcも邪悪。

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  1. 欧州評議会議員会議:アサンジ氏を「政治犯」と認定 - GNV - […] アサンジ氏は2019年にアメリカのスパイ防止法違反で起訴されていたが、罪が問われた内容は「本質的にはニュース収集と出版」だと同議員会議は主張した。問われていたいずれの罪においても有罪判決を受けていなかったにもかかわらず、アメリカへの引き渡しが検討されていた5年以上の間、イギリスにある凶悪犯罪者用の最高警備刑務所の独房監禁されていた。アサンジ氏は2024年6月に司法取引が成立、釈放され、10月1日に欧州評議会議員会議で証言した。採択された決議は以下のように、アサンジ氏の扱いによる世界への影響にも言及した。 […]

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