GNVニュース 2024年9月15日
2024年9月8日、エチオピアのアビー・アハメド首相はスピーチで自国への「侵攻を企てる者」に考え直すよう警告した。「侵略を企てる者」がどこの国を指すのかを明言しなかったものの、エチオピアは現在、ソマリアとエジプトとの対立が高まっている。
エチオピアとソマリアとの摩擦の背景には、2024年1月にエチオピアが未承認国家ソマリランドと交わした覚書がある。この合意を通じて内陸国家であるエチオピアはソマリランドの独立を認める代わりに、ソマリランドの海岸の一部を50年間利用する権利を得た。ソマリランドは1991年以降、事実上独立状態であるが、ソマリアは現在もソマリランドに対する主権を主張しており、主権の侵害としてエチオピアに対して抗議をしている。
また、2024年8月にはエジプトはソマリアとの間に防衛協定に調印しており、ソマリアでのアフリカ連合の平和維持活動にエジプト軍が派兵されることになった。エジプトはソマリアへの軍事支援も行っており、エチオピアを意識した行動だと見られている。エチオピアとエジプトの対立の背景には、エチオピアがナイル川の上流で完成させようとしている巨大ダム建設もある。エジプトは重要な水源が損なわれることを懸念し、これに反対をしてきた。
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ソマリア大統領の就任式でスピーチをするエチオピアのアビー首相、2022年(写真:ATMIS Somalia / Flickr[CC0 1.0])
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