イエメン:5歳未満の子ども54万人が重度の消耗症

by | 2024年08月21日 | GNVニュース, 中東・北アフリカ, 保健・医療, 紛争・軍事

GNVニュース 2024年8月20日

世界保健機関(WHO)のイエメン支部の発表によると、同国内の5歳未満の子どものうち54万人が差し迫った死の危険性が高い重度の消耗症で苦しんでいる。イエメンでは長年、武力紛争や国境封鎖によって引き起こされた人道危機が続いており、2023年に比べ急性栄養失調の度合いが34%増加している地域も報告されている。

イエメンでの武力紛争は2014年にフーシ派勢力(正式名称:アンサール・アッラー)が政府を首都サナから追放した後、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が率いる連合が参戦した。アメリカの軍事支援を受けた連合は侵攻を続けながら、フーシ派がコントロールする地域に対して陸海空のルートを封鎖した。それによって引き起こされた人道への被害の大きさから、イエメンの紛争は世界最大の人道危機のひとつとも呼ばれるようになった。また、最近ではイスラエルによるガザ地区への侵攻に対して、イスラエル関連の船舶などにフーシ派勢力が攻撃を開始したことを受け、アメリカやイスラエルがイエメンに軍事攻撃を行っており、食料問題が今後も悪化しかねないと指摘されている。

イエメン紛争についてもっと知る→「イエメン紛争:新たな段階

世界の食料問題についてもっと知る→「世界の食料不足:報道されない問題とは

イエメンの避難民キャンプで料理する親子(写真:EU Civil Protection and Humanitarian Aid / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])

0 Comments

Submit a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *