44億人が安全な水不足、これまでの推定の2倍に

by | 2024年08月18日 | GNVニュース, 世界, 保健・医療, 農業・天然資源

GNVニュース 2024年8月18日

2024年8月15日にサイエンス誌に掲載された研究で、世界人口の半数以上に当たる約44憶人が安全な家庭用飲料水へのアクセスを持っていないと発表された。これは2020年に世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)が推定した20憶人という数値の約2倍以上であり、問題が過小評価されていたことが浮き彫りとなった。

これまでUNICEFは、安全な水にアクセスできる人数を把握する際、世帯調査に依存してきた。しかし、この調査方法は情報収集頻度が極端に少ないことや、水質についてのデータが不足している点、公共施設の飲料水の使用については言及されていないなど、不完全なデータに頼っている側面があった。今回の研究における地理空間データを使った新たな調査方法によって、低中所得国においては安全に管理された飲料水サービスにアクセスできるのは3人に1人であることや、糞便汚染が人口のほぼ半数に影響を与える主要な制限要因だと特定した。また、安全な飲料水についての情報収集の進捗は遅く、これまでの研究による推定と実際の安全な飲料水へのアクセスの現状には大きなデータギャップがあるという問題が指摘された。

 

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(写真:Gerhard Holub / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0]

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