GNVニュース 2024年8月9日
ラテンアメリカでは、2024年7月20日までに少なくとも8,078人のオロプーシェ熱の確定症例が報告されており、そのうち2人は死亡したと、ブラジル保健省によって発表された。症例はラテンアメリカ地域であるブラジル、ボリビア、コロンビア、キューバ、ペルーに集中している。汎米保健機関(PAHO)によると、全症例の90%である少なくとも7,284人がブラジルで確認されており、2023年に報告された832例から大幅に増加している。
オロプーシェウイルスは節足動物などを媒介して感染する。感染症の背景には、気候変動の存在が指摘される。気温上昇が媒介する昆虫の増加につながっているという。発症すると、発熱、筋肉痛、眼窩の後ろの痛み、頭痛、嘔吐などの症状があり、死に至るケースもある。症状はデング熱と似ていることから誤診される問題も起きている。予防または治療するためのワクチンや特定の抗ウイルス薬はない。
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オロプーシェウイルスを媒介するヌカカ(写真:Alan R Walker / Wikimedia Commons [CC-BY-SA-3.0])
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